1 タイトル・担当委員会
これからの被災者支援と災害ケースマネジメント
~被災者一人ひとりとともに~
担当:担当:全青司 民法・不動産登記等研究委員会
2 開催趣旨
今年は、阪神・淡路大震災から30年の節目の年にあたります。
この30年の間に、東日本大震災など、数多くの自然災害が発生しました。令和6年能登半島地震の被災地では、いまだに復興どころか復旧が道半ばの状況にあります。
全国各地で自然災害が起きるたびに、被災者の生活再建が大きな課題となってきました。行政が用意した支援メニューを利用申請した被災者のみが支援を受けられるという従来の仕組みでは、取り残される人々が出てしまうのです。
そこで、今、被災者一人ひとりの自立・生活再建のプロセスを支援する「災害ケースマネジメント」の普及が進んできています。
私たち民法・不動産登記等研究委員会は、これまで、自然災害と不動産登記に関する研究及び各種研修への講師派遣などを行ってきました。委員の中には、被災経験がある人や、被災地で復興支援専門員として活動したことがある人もいます。
全国の司法書士に被災者支援に携わってほしいという思いのもと、今回、災害ケースマネジメントを含めた被災者支援について取り上げます。
本分科会では、臨床の社会科学者として、被災者がスムーズに生活再建をするための社会システムを実証研究し、災害ケースマネジメントとして提案されている菅野拓先生を講師にお招きし、被災者支援の現状や課題についてご講義いただきます。また、令和6年能登半島地震への対応を中心とした全青司及び当委員会のこれまでの取り組みについて、委員による報告を行うとともに、今後司法書士としてどのような形で関与できるのか、具体的な支援のあり方について、みなさまと一緒に考えたいと思っています。
支援制度一般についても触れる予定ですので、これまで被災者支援に関わったことがない方もぜひご参加ください。
災害は、いつ・どこで発生するかわかりません。被災者一人ひとりに寄り添い、生活再建の道を共に歩むために、司法書士として何ができるのか。本分科会を通じて、そのヒントを探っていきましょう。
3 研修内容
・委員による報告
・外部講師による基調講演
・パネルディスカッション等
4 講師プロフィール等
菅野 拓 氏
大阪公立大学大学院文学研究科准教授。博士(文学)。
社会問題など「やっかいな問題」の解決が一貫したテーマで、その観点から困窮者支援や災害対応の現場で研究・実践を継続している。
近著に『つながりが生み出すイノベーション―サードセクターと創発する地域―』、『災害対応ガバナンス―被災者支援の混乱を止める―』。内閣官房「防災庁設置準備アドバイザー会議」専門委員、内閣府「被災者支援のあり方検討会」委員、石川県「令和6年能登半島地震復旧・復興アドバイザリーボード」委員などを務める。