1 タイトル・担当委員会
「ヤングケアラー問題を通して考える権利擁護
~司法書士はいかにしてひととともに生きるのか~」
担当:全青司 人権擁護委員会
2 開催趣旨
2022年の厚生労働省の調査によると、介護保険法の要支援又は要介護と認定された在宅の方の「主な介護者」は、同居の家族等が45.9%で、事業者は15.7%です。同居の家族で介護している方の中にはヤングケアラーも存在し、その問題が近年耳目を集めています。
ケアラーとは、こころやからだに不調のある人の「介護」「看病」「療育」「世話」「気づかい」など、ケアの必要な家族や近親者、友人、知人などを無償でケアする人のことです(日本ケアラー連盟定義)。その中で18歳未満のケアラーは、ヤングケアラーと呼ばれています。
当事者の方が直面する問題として、当事者自身がケアラーの認識がない、家族の問題として自分から発信しない、発信を望んでいない、そのため外から見えにくい等の理由で支援につながりにくく、学業や就職、友人関係などに影響が出てしまうことが挙げられます。これらの問題は社会問題全般で共通する部分もあるでしょう。
司法書士の相談会などでご相談をされる方は、目的がすでに明確になっている方が多いように思います。一方で、こうした見えにくく、言葉にしづらい問題を抱えた方へのアプローチには悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。そこで、ケアラー・ヤングケアラー・家族介護者の支援に取り組んでいる「北海道ケアラーズ」の加藤高一郎様をお迎えし、相談先につながる前までの声かけや支援をしている立場から、ヤングケアラーを取り巻く問題の実態をお聞きするとともに、司法書士を含む支援者が、相手の真に求めていることを把握し、本質的な問題解決を図っていくために大切なこととは何かを考える場にしたいと思います。
3 研修内容
第1部:講演 講師:加藤高一郎氏(一般社団法人 北海道ケアラーズ 代表理事)
第2部:グループディスカッション
4 講師プロフィール等
加藤高一郎 氏
2003年からケアマネージャーとして社会福祉法人の業務に携わる。2015年「支える人を支える」をモットーに江別市を中心に「えべつケアラーズ」を設立。ケアラー支援を本格的に開始する。2018年より地域の若い世代のケアラーからの相談も増え、ヤングケアラー支援にも積極的に関わる。2022年4月「北海道ケアラー支援条例」が施行となり、関連事業の1つである「ヤングケアラー支援体制強化整備事業」を受託。同時に一般社団法人「北海道ケアラーズ」を設立。江別市から北海道全域をエリアとした幅広いケアラー支援をスタート。道内唯一のケアラー及びヤングケアラーに特化した支援活動に民間団体として活動中。
社会福祉士 介護支援専門員 保育士
日本ケアラー連盟会員
北海道ケアラー支援推進協議会委員
北海道ケアラー支援推進センター運営委員兼地域アドバイザー
北海道スクールカウンセラー