1 タイトル・担当委員会
消費者法とともに活躍する司法書士像を考える
担当:全国青年司法書士協議会 生活再建支援推進委員会
2 開催趣旨
第1 趣旨・目的
何気ない生活の中には私たち司法書士でも気付かないくらい多くの法律があります。
司法書士は古くは裁判書類作成を担っていた代書人を起源とし現在に至っていますが、当委員会としては今一度その原点を見つめ直し、今後われわれはどのような方向性で生きていくべきかを考え直す時期に来ていると考えています。その理由としては、①長期的に見た場合の登記申請件数の減少 ②登記業務に偏っている現状の危険性 ③司法書士業務の多肢選択化を可能とする土台作りの必要性があると考えるからです。
第2 具体的な経緯
司法書士の歴史を振り返ると、明治5年に司法職務定制が制定され、司法書士の原型である「代書人」が定められました。そして、先達の地道な活動を経て平成14年の司法制度改革による簡裁代理権の付与、令和元年の使命規定の創設に至ります。また、司法書士の本来業務である登記に目を向けてみても、令和6年に相続登記の義務化が始まり相続関係の業務は増えたものの、法務局へ提出された年間の登記申請件数が飛躍的に伸びたとは言えない現状があります。少子化の進む日本社会において、今後登記件数が右肩上がりにならないことが見えてきます。
上記を踏まえ、登記に重きを置く司法書士の現状に一石を投じる必要があると感じた当委員会は、日々生活の中で起こりうる市民の消費者被害の実態を学び、司法書士としてできることを考え、業務の多肢選択化を再認識すべく今回の分科会を企画しました。
第3 消費者法と司法書士
普段の生活、特に消費活動には多くの法律が関係しています。司法書士として、市民に身近な存在の法律家として、人とともに生きる普段の生活にはどれだけの法律が絡んでいるのか、またその法律の仕組みや具体的な活用場面などを知ることはとても意味のあることではないでしょうか。
消費者法は多岐にわたります。昨年のしずおか全国研修での債務整理研修同様、少しでも参加される皆さんに興味・理解を得られるように努めていきますので、ぜひ当分科会にご参加ください。
3 研修内容
第1部 司法書士業界の過去と現状
第2部 基調講演 ~消費者を取り巻く法律の概観~
講師:司法書士 山田茂樹氏(静岡会)
第3部 具体的な事例検討
4 講師プロフィール等
山田茂樹 氏(静岡司法書士会所属)
内閣府消費者委員会事務局委嘱調査員、静岡県消費生活専門アドバイザー、山本国際コンサルタンツパートナー、日本司法書士会連合会消費者問題対策委員会副委員長、同民事裁判IT化対応委員会委員、現代消費者法編集委員などを現任。
[主な著書]・「インターネット消費者取引被害救済の実務」(編著・民事法研究会)など他多数